ぐるぐる雑記

ぬーん

何も読んでないし、何も観てないんだけどさ。生きてる。

最近すごい、風が強いですな。風が強いと、地球って惑星だったんだよねっていうのが思い出せてとてもよいです。
 
赤子を産んで、今も隣で寝ています。生きるのがだいぶ楽になりました。死にたいって思うことが減った気がします。死ななくてよかった、生きててよかった、この子の笑顔で本当にそう思います。女ってこわいね。
 
人生が、大きく変わってそのテンポにまだまだついていけていないのに、わたしをおいて時が、状況が、ひとりでに進んでいきます。とても不思議。
今住んでいる家も、死んでしまった画家の家で、その人の遺品がぽつりぽつりと残っていたりします。例えば、布団や、タオルや、エプロンや、食器。それらを使って生活していることに、最初はとても違和感があって、というかそれは当たり前のことのような気もして、だって、死んだ人の残像の中で生きているような感じがして。この世にいないのに、その人の気配に包まれて生活しているっていうのがとても不思議な感じがしました。
で、街に行くと画廊があって、この家の画家の絵を扱ってた画商さんに会って、この画家さんが通ってた小料理屋の話を聞いたり。近所の人にもこの画家さんは先生と呼ばれてて、引っ越しの挨拶に行くと先生との思い出を話してくれたり、ガス屋の人はわたしよりも家の構造にはるかに詳しかったり。やっぱり、不思議な気持ちになる。みんなのよく書き込まれたカラフルな記憶の地図の中で、わたしたちだけが真っ白な地図みたいに何も知らなくて、でもちょっとずつ、海辺で貝でも拾うみたいにこの家の元主人の記憶を拾いながら暮らしています。
わたしたちは生きていて、さらに生命の象徴のようなとても生きている赤子を抱えながら、死んだ人の輪郭をなぞって、死んだ人の布団で寝起きして。
でも、引っ越してきて2ヶ月ほど経ってきたら、だいぶ自分たちの影のほうが濃くなってきた気がします。家にも少しずつ、生きた空気が通いはじめて(まあ雑草だらけなんだけどさ)、タオルや食器も生きているものの一部になってきました。
 
そんなことより、育児で人と交流しなさすぎてグッピー飼いたいよね。
 
生きてます。