ぐるぐる雑記

ぬーん

ひとり暮らしがしたい愚痴

もうこの記事はただの愚痴だ。ひとり暮らしがしたい。なのになぜさせてくれないんだ。

「ひとりにならないとわたしが崩壊する!」と両親の前で泣き崩れてからはや一週間くらい経ったのだろうか。東京は阿佐ヶ谷で物件を探した。谷川俊太郎とご近所さんである。家賃はできれば自分で出したい。だから上限3万円の物件を探したが、それは見つけられなかった。正確に言えばあったことにはあったのだけれど、母親が頼むからこんな危険なところはやめてくれ、あなたは仮にも女の子なんだ、と懇願してきたから、それは却下された。で、代わりに探し当てたのが家賃5万6千円、木造2階建て、角部屋、二面採光、である。窓を開ければ借景で、お隣さんの豪邸の緑が採光に癒やされる。なによりも家賃を50%以上自分で出せるのがいい。自分の生活をなるべく自分で仕切りたい。誰にも頼りたくない。家賃を出して安全を買うなんて、結局は親に鎖の首輪をつながれたままなのだ。だからその割合はできるだけ減らしたかった。

そしてやっと、母親を内覧に連れていった。行く前にグーグルアースで見せて、どんなに素晴らしい物件かをプレゼンし、勝手に契約書に保証人を書き込んで不動産屋にファックス。手続きはほとんどすべて抑えてあり、あとはもう母親を連れて行くという不動産屋に対するパフォーマンスとしての証拠だけ作れば全て完璧だった。

そして母親・妹・わたしの3人で向かった内覧。しかし、そこで発揮される、母親のおせっかい。「お隣さん、男の人だね」「マンションみたいなところないのかな」「カーテンは二重にしなきゃだめだね」「男もののシャツとか干すんだよ」とか無限に忠告をしてくる。しきりに他の物件をチェックする。監獄みたいに密閉されたマンションじゃないと気がすまないみたいだ。わたしはもう22才なんですけれど、と言いたい。放っておいてほしいと嘆願しているのに、なんでしてくれないんだろう、と頭を悩ます。はっきりいうのならば、精神的に窮屈なのだ。そして家に帰ると父親にいかに悪い物件だったかを、わたしのいないところで話すのである。声は丸聞こえなのだが。わたしは「あーあ」と思う。家からきっと出してもらえない、と。

ねえ地球上のみんな。わたしは思うんですけど。愛は大事だ。けれど束縛はよくない。母のしていることは、わたしを家に縛り付ける行為だ。わたしがなんで家を出たいのか、彼女はあまり理解していない。理解はしているかもしれないけれど、親のエゴが無限にわたしを引きずり戻そうとする。愛が人を信じることを意味するのだとしたら、わたしを信じてくれたっていいじゃないかと思う。彼女がしていることは、自分の満足を満たすための行為でしかない。わたしが泣いて、自分の身が崩壊しないためにひとり暮らしするんだ、とお願いしているのに、どうして許可してくれないんだろう。わたしはもう限界を感じる。

一昨日、夜中に猛烈な腹痛に襲われ、トイレに3回通い、3回目にして気絶しそうになり、廊下を這いながら自室へと移動し、横になり意識が薄れていくのを感じていた。わたしは元来痛みに弱く、いい歳して膝をぶつけただけで気絶したことがある。そして今回も例外ではなく、腹痛のあまり気絶したわけであるが(幸いにもベッドの上で)、そこである3人の幻覚を見て、そして朝起きたときの「わたしやべーな」という自覚。わたしは見た。村上春樹と、谷川俊太郎と、高橋源一郎を。はっきりと、彼らの姿を見て、存在を自分の内側に感じた。その次の日、バイト先で切羽つまりすぎたわたしには、同僚の顔に黄色い10センチ幅の線が塗られているのを見た。何度目を瞬いても、その線は消えない。「やべーな、相当キテるなこれ」と、冷静をまだ装えるので大丈夫である。が、これも時間の問題で、そのうちに記憶喪失とか入りだすと結構やばい(どうやって家に帰ったのか覚えていない日などがあった)。物理法則みたいなので頭がいっぱいになり、電車恐怖症になり引きこもり、一日をベッドの上でただ天井を見るだけで終わらせる、というむかし陥ったことがまた起こり得る気がしてきて恐怖する。

「電車で倒れて、引きこもり状態になってたときに比べれば…」と父と母が朝方廊下で話していたのを聞いた。頼むよ、そんなに本人に聞こえる位置で話さないでくれよ、と思う。すみませんね家族のお荷物で、と。

けれどわたしだってがんばったんだ。中学受験の勉強も、受験も親の望むようにやった。あの頃わたしはストレスが溜まりまくり、自分の記憶のないうちに教科書などをゴミ箱に突っ込み続けるなどしていた。その時期の記憶はさっぱり消えているので、いまだに伝聞調でしかわからない。大学受験だって、親の望む大学に行った。世間に名の恥じない有名大学だし、なんなら1年半の間日本で一番むずかしい大学にだって通った。一流企業でインターンだってした。じゃあこれ以上わたしに何を望むのだ。わたしが望むことはひとつで、ひとり暮らしをさせてほしい、ただそれだけなのに。みんながひょいとさせてもらえることを、わたしはさせてもらえない。たくさんの親が望んでも、みんながひょいとはできないことをやったのに。なぜ。

親になったらそりゃ子供の心配が大変だろうけれど、わたしもう22歳ですよ。留年してるから大学生だけど、22歳って一般的に見て社会人ですよ。なんなら20歳になってから一度だって選挙逃したことありませんよ。なんでこんなに過保護なんだろう。過保護が精神的に暴力だって、知ってほしいのだけれど。

わたしこのまま壊れるんだろうか、と不安になる。頼むから、ひとりにしてほしい。すべてのものから離れたい。助けてほしい。いや、ちがう、なにも助けないでほしいのだ。