ぐるぐる雑記

ぬーん

若者のノスタルジーが向かうのは

アメリカの大学院に留学に行ってしまった友達と「日本はノスタルジーすぎて息がつまるよ」っていう話をした。

そういや最近、日本のみんな後ろ向いて走ってるのかなって、そんな気がするよ。インスタントカメラで写真撮るの楽しいよ、現像するまで何がでるのかなってワクワクするのも楽しいんだけれど、その世界観が向かう先ってどこ?

茶店ブームやら、インスタントカメラブームって、一周まわってわたしたちの世代には新しく見えるものなのかもしれない。けれど、それって本当は新しいんじゃない、新しいけど懐かしいものな気がする。失われた20年のあいだを生きてきたわたしたち、というよりも生まれた瞬間から予め失われていた20年と言われた時代を生きて、バブル経験世代たちの「あの頃はよかった」節を聞いてきたわたしたち。

わたしたちが求めているものってなんなんだ?古い価値観を再評価するのではなくて、今までの大人たちが語ってきた「あの頃はよかった」の「あの頃」を追いかけているような気がする。小さい頃から刷り込まれてきた「あの頃」話が、大人になったわたしたちの心に撒いていたのは、過ぎ去った日本の「あの頃」の空気を吸ってみたい欲だったのかもしれないのかな。

だからなのか、みんなが「あの頃」に向かって走るものだから若者の周りにはノスタルジーな雰囲気がまとわりついていて、しかもそれはなんとなく既視感があって心地いいものだから、そこにぬくぬくとしてしまう。そうすると、ノスタルジーがまるで輪みたいに自己完結した世界をつくるのかな、と思う。どこにも行き場のない世界感が、心地いいからなんとなく絶望っぽい、って感じるのは、まだ自分が前に進みたいと思ってるからなのかな。